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by junryu
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バラ図鑑96~ルイーズ・オディエ(OR)~

今日も旦那が担当します。
今日紹介するバラはORの「ルイーズ・オディエ」です。
バラ図鑑96~ルイーズ・オディエ(OR)~_a0249051_4164486.jpg

このバラは2本目の「マダム・イサーク・プレール」を買おうと思って、園芸店に行ったのですが、その際間違って購入してしまいました。
だから、当初あまり期待していなかったバラです。
2009年に我が家にやってきました。
バラ図鑑96~ルイーズ・オディエ(OR)~_a0249051_6171844.jpg


今日は、「ルイーズ・オディエ」を物語風に紹介しようと思います。

「ルイーズ・オディエ物語」 ~ある健気なバラと毛無げなおっさんの物語~

2009年5月のある風の強い晴れた日、私が他のORたちと一緒に日向ぼっこをしていると、一人のハゲたおっさんがやってきて、ぶつぶつ言いながら、私たちの名札を確認しています。
よく聞くと「マダム・イサーク」、「マダム・イサーク」、・・・・・とおっさんは、呪文のように唱えています。
このうだつの上がらないキモいおっさんに買われたくない「マダム・イサーク・プレール」は奥に隠れてぶるぶる震えています。

おっさんは私の名札を一瞬見たのですが、「私はルイーズ・オディエ!」、あなたが探しているバラじゃないわと堂々と日光浴を楽しんでいました。

私の名前が印象的だったのか、ただこのおっさんがぼけていただけなのか、呟いていた呪文が途中から変わってきました。

「マダム・イサーク」、「マダム・イサーク」、・・・・・、「ルイーズ・オディエ」、「ルイーズ・オディエ」、?・・・・・

私を見つけたおっさんは「あった!! よかった! よかった!」と満面の笑みを浮かべ、私を大事そうに抱えて、レジに向かいました。

「あんた! 間違えてるよ!」「きっと、あんた後悔するよ!」と、ちびまるこ風に呟いてみたのだが、このおっさんは聞く耳を持ちません。
かなり浮かれている様子です。
「そうだねぇ イサークちゃん、彼女、美人だからねぇ、この人が浮かれるのも無理ないか・・・」

私は間違いに気付いたおっさんが落胆する様子を想像しながら、憂鬱な気持ちで彼の家にやってきました。

おっさんはこともあろうか、入口の「ピエール・ドゥ・ロンサール」さんの下に私を植えました。
本当に私に期待しているということが痛いほどわかります。
「おいおい、わたしは、「マダム・イサーク」じゃなくって「ル・イ・ー・ズ・オ・デ・ィ・エ」!!」と言ってみたところでこのおっさんに伝わる訳もなく、「ロンサール」が「僕や「マダム・イサーク」と比べられて大変だね!!来年が楽しみだ! ハハッ!!」とすんごいことを「ヒロミ・ゴー」のように軽く言ってくれます。

一年後、私はいやいや花を咲かせました。
バラ図鑑96~ルイーズ・オディエ(OR)~_a0249051_562920.jpg

そんな私を見つけ、「あれ~、なんか違うなぁ」、「これ「マダム・イサーク」じゃないよなぁ?」と改めて、私の名札をチェックするおっさん。
だからあれほど「違う!!!」って言ったじゃん!!!
予想どおりの展開に気分がブルーな私。

ここで、おっさんの思いがけない一言、「コロンとしてかわいいし、この色も悪くないじゃん!」

「えっ、引っこ抜かれるんじゃないの?」「裏庭行きじゃないの?」(この当時は、裏庭はまだチューリップ畑でした。)
不安に駆られていた私は、キツネにつままれたように茫然として、満足げに笑いながら去っていくおっさんのハゲ頭を見送った。

その後も、おっさんは「テス・オブ・ザ・ダーヴァビルズ」(ER)ほどの派手さは無いけど、君の素朴さが好きだと言ってくれます。

この時、このおっさんのために少しだけ華やかに咲こうと思った。
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「レオナルド・ダ・ヴィンチ」ほどの花持ちの良さはないけど、君のそのはかなさが好きだよと言ってくれます。

この時、このおっさんのために少しだけ長く咲こうと思った。
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「君、ちっちゃいねぇ!!」とひどいことを軽く口走りながら「ロンサール」は、その巨体で私を覆って、日陰を作り、嫌がらせをしてきますが、
こんなときもおっさんは、こんな日陰でも健気に咲く君が好きだよって言ってくれます。

この時、このおっさんのために日陰に耐えて、もっと多くの花を咲かせようと思った。
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2012年、私は突然下腹部に違和感を覚えた。
「カミキリムシだ!」
私は激痛に耐えながら、精一杯花を咲かせた。
喜んでくれるおっさんの笑顔が見たいから。おっさんに褒めてもらいたいから。

こんな私をおっさんはいつもどおり褒めてくれました。
「今年もきれいに咲いたね! ありがとう!」と。

2012年の冬になって、やっとおっさんは私の異変に気付いてくれました。
おっさんは手当をしながら「今まで気づいてやれんでごめんなぁ」という言葉をいつかの呪文のように繰り返し繰り返しつぶやいています。

小汚いこのおっさんの目からきれいな雫が垂れたとき、このおっさんのために来年も咲きたい。そして、このおっさんに褒めてもらいたい。そして、もう一度あの笑顔が見たいと思った。
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 「本当にそう思ったんだ」

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by junryu2012 | 2013-04-22 06:29 | rose